花を愛した娘へ、自宅跡に種 いわき震度6弱余震10年、父親ら祈り

 
更地になった自宅跡に花を手向け、手を合わせる久雄さん(左)=11日午前、いわき市田人町石住地区

 東日本大震災から1カ月後の2011(平成23)年4月11日にいわき市などを襲った震度6弱の余震から、11日で丸10年となった。土砂崩れで磐城農高2年だった長女愛さん=当時(16)=を亡くした高橋久雄さん(66)=古殿町=ら家族は、いわき市田人町石住地区の自宅跡を訪れ、犠牲となったまな娘の冥福(めいふく)を祈った。

 「ゆっくり休んでね」。久雄さんと妻イミさん、義父の貞夫さんは土砂崩れの後、更地となった自宅跡に残った庭石に愛さんの遺影を置き、チューリップやガーベラ、小菊を手向け、手を合わせた。

 同市田人町では、余震による土砂崩れで愛さんら4人が亡くなった。高橋さん方は、裏山から崩れ落ちた土砂によって押しつぶされた。「まさかあんなことになるなんて思ってなかった」。久雄さんは、自宅を離れていてなすすべなかった当時の状況や、愛さんの死をしばらく受け入れられなかったことなどを振り返った。

 久雄さんは今年、自宅跡にヒマワリとコスモスの種をまこうと考えている。「愛は花が好きでしたから。ここを少しでも華やかにしてあげたい」。10年間、変わらずに愛さんを思い続ける久雄さんは、穏やかな表情で語った。