請戸に「先人の丘」整備 津波被害の墓石埋設、2022年3月完成へ

 
浪江町の請戸地区に整備される「先人の丘」の完成イメージ図

 浪江町は本年度、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた同町請戸地区の請戸共同墓地の跡地に「先人の丘」を整備する。津波で流されてしまった墓石を埋設し、土をかぶせ芝生を敷き詰めることで丘をつくる。先人が再び安らかに眠れる場所として設けるが、震災の記憶を継承する役割も持たせる考えだ。来年3月11日までに完成させる。

 町によると、かつての共同墓地は海岸から西に約600メートルに位置しており、震災の津波で多くの墓石や遺骨が流出した。墓の一部は、町が2015(平成27)年に整備した大平山霊園に移設した。しかし、共同墓地があった場所には津波で破壊された墓石が集められ、現在も野積みで置かれたままになっていた。このため、町民が「墓石をそのままにしておけない」と町に対策を講じることを求めていた。

 先人の丘は、同町請戸字大師堂の敷地約7000平方メートルに整備する。整備中に新たに遺骨が見つかった場合は、町が県警と相談の上、丘に遺骨を納める。津波で流出した地域のさまざまな記念碑なども丘に再建立する。総事業費は約2億2000万円で、福島再生加速化交付金などを活用する。町は8日開会の町議会6月定例会に工事契約の議案を提出する。

 丘の整備予定地の周辺では、大平山霊園のほか、震災遺構の請戸小、復興祈念公園の整備が進んでいる。