【大熊】「インフラ整備」最優先!規制緩和する地域が大きな課題

 
立ち入り規制が緩和される地区での除染やインフラ整備が大きな課題だ=大熊町

 JR大野駅周辺と県立大野病院周辺の4ヘクタールの避難指示が解除される大熊町。避難指示解除に加え、通行証がなくても特定復興再生拠点区域(復興拠点)内に自由に立ち入りできるよう、既に避難指示が解除された大川原地区に隣接する野上と下野上両地区の一部計約290ヘクタールで立ち入りの規制が緩和される。今回避難指示が解除される地域は、住民の居住が対象となっておらず、町環境対策課の沢原寛課長は「課題は、規制緩和をする地域にある」と指摘する。

 復興拠点の避難指示解除目標は2022年春。町によると、野上、下野上両地区は既に除染が完了している。一方で、町除染検証委員会が2月20日に吉田淳町長に提出した最終報告書では、除染の効果を確認しているとしたものの、継続的に放射線量の低減を図り、長期的に居住者の年間追加被ばく線量が1ミリシーベルト以下になるように取り組むことが必要としている。

 沢原課長は「原発事故以降、上下水道などのインフラ関連の整備は手つかず。除染を終えた上でインフラの整備を進めなければ、町民の帰還準備が進まない」と危惧する。