中間貯蔵「搬入5年」...風景様変わり 搬入600万立方メートル超

 
フレコンバッグが運び入れられる受け入れ・分別施設

 東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)は搬入開始から5年を迎える。2021年度までに県内の仮置き場などにある約1400万立方メートル(帰還困難区域を除く)の搬送を完了する計画で作業は加速化する。一方、避難指示の解除も進む中、作業の安全はこれまで以上に求められている。

 環境省は2015(平成27)年3月、中間貯蔵施設に、県内の除染で出た土壌など約1400万立方メートル(帰還困難区域を除く)の搬入を始めた。

 施設の稼働エリアの拡大に合わせて搬入量は年々増えている。本年度は約400万立方メートルの運び入れを予定し、2月20日時点で約352万4000立方メートルの搬入を終えた。これまでの累積は600万立方メートルを超えた。

 同省は21年度までに1400万立方メートルの搬入をおおむね終える方針。20年度は本年度と同規模の約400万立方メートルの搬入を見込んでおり、学校に保管している土壌の運び出しが完了する見通しだ。

 中間貯蔵施設への搬入が始まった当初、県内52市町村が仮置き場などで土壌を保管していた。3月までに26市町村の搬出が終わる予定で、20年度はさらに8市町村の終了を見込んでいる。

 政府は中間貯蔵施設で保管する廃棄物などについて、法律で「使用開始後30年以内の県外最終処分完了」を定めている。一方、45年3月12日までに同施設から全ての廃棄物を搬出し、県外で処分する計画だが受け入れ先の選定は議論の緒にも就いていないのが現状だ。