海底トンネル新設、沖合1キロからの放出計画

 

 東京電力は、福島第1原発の海側に整備する立て坑を起点とした海底トンネルを新設し、沖合1キロの地点から処理水を放出することを計画している。海水で希釈して海に流す。計画では、海洋放出を行う際は、トリチウム以外の放射性物質62核種の濃度が国の基準値以下になるまで再浄化処理する。

 東電は、海水で希釈してトリチウム濃度が国の規制基準(1リットル当たり6万ベクレル)の約40分の1となる1500ベクレル未満となっていることを確認し、公表する。希釈に使う海水をくみ上げるポンプに異常があった場合、緊急遮断弁を閉じて放出を停止する体制も整える方針。

 東電によると、第1原発の敷地内にある保管用タンク(全1061基)には、処理水や処理が完了していない「途上水」など約129万2700トンが保管されている。処理済みの水は全体の32%に当たる約41万800トンとなっている。