林業産出額、震災前水準戻らず 福島県、木材や栽培キノコなど

 

 農林水産省によると、木材や栽培キノコなどの本県の林業産出額は2019年が約106億円と震災後で最高となった。ただ、約125億円だった震災前の10年の水準までは回復していない。

 19年の栽培キノコ類の産出額は30億9000万円で、10年(約49億円)の約6割にとどまっている。「原木キノコ」の生産量が回復しないことなどが要因とみられ、背景には、県内で栽培に使うキノコ原木の調達が困難になったこともある。

 本県はかつて、キノコ原木の全国有数の産地だったが、原発事故の影響で生産量が激減した。国や県などは本年度から「里山・広葉樹林再生プロジェクト」に乗り出し、産地復活の取り組みを進めている。