6号機燃料取り出しにも遅れ 東京電力、福島第1原発廃炉工程

 
使用済み核燃料の取り出しが遅れる見込みの福島第1原発5号機(右)と6号機の建屋

 東京電力が福島第1原発で進める廃炉工程のうち、6号機の使用済み燃料の取り出しに遅れが生じる見込みとなっている。この影響で5号機の燃料取り出しも当初開始を予定していた2024年度から25年度以降となる見通しだ。

 6号機の作業の遅れは、燃料を保管している「キャスク」と呼ばれる容器に不具合が出たことが原因だ。不具合に伴い、燃料を洗浄する工程を加えることを余儀なくされた。このため、6号機の燃料取り出しは、当初目標としていた23年度末から25年度上期にずれ込む。

 東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は5、6号機の燃料取り出しについて「最終的には(国のロードマップに示された)31年までに1~6号機の建屋から全ての燃料を取り出すとの目標の達成は可能だ」との認識を示している。

 東電の廃炉作業を巡っては、燃料取り出しを含めた41の廃炉作業のうち、9項目の作業が、目標としていた24年度から25年度以降に遅れる可能性がある。ただ東電は、廃炉作業全体の工程には影響はないとみている。