呼び込み奏功、大幅増 12市町村へ移住促進を本格化

 

 県は東日本大震災の発生から10年になる2021年度、避難地域12市町村への移住促進を本格化させた。それまでも増加傾向にあった移住者数は21年度から大幅に増えており、復興の担い手を全国から呼び込む取り組みが功を奏している。

 12市町村への移住者数の推移は【グラフ】の通り。県は20年度まで帰還支援に力を入れていたが、移住促進へかじを切った。「帰還できない理由は人それぞれ。復興・再生を進めるには、移住促進により新たな活力を呼び込むべきだと考えた」(避難地域復興課)と説明する。

 県は21年7月、富岡町に「ふくしま12市町村移住支援センター」を設立した。市町村ごとに復興の状況に合わせた支援を行う。インターネットでの情報発信、移住希望者への相談対応などの事業も展開している。

 移住支援金も新設した。県外から移住した場合、単身者に120万円、世帯には200万円を支給する。

 21年度の移住者数は436人で前年度(213人)の2倍に上った。22年度も603人で大幅増が続く。県は「避難地域の復興が進み、住みやすい環境が整ってきているのが移住を後押ししている」(ふくしまぐらし推進課)とみている。

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 住居確保に重点

 県は避難地域12市町村への移住促進に向け、「ふくしま12市町村移住支援センターの運営」「移住に関心がある層への情報発信」などの六つを柱に事業を展開している。

 移住支援センターは、本年度から住まい対策モデル事業を行う。住居確保が課題になっているため、不動産業者から意見を聞いて対策を講じる。

 情報発信では、県内外の民間企業との連携を強化して情報発信に協力してもらう。交流サイト(SNS)などのインターネットを活用した情報発信にも引き続き取り組む。

 移住希望者の呼び込みでは、移住者による起業を促すとともに、移住に関するツアーやセミナーを開催する。

 移住促進施策の磨き上げに向けては移住者らにアンケートを実施する。本年度は「子育て・教育」「起業」「定着促進」の三つをテーマとする方針だ。