ハウスブドウ...川内の新たな特産へ 栽培農家、面積が年々増加

 
ハウス栽培のブドウの手入れをする秋元さん=5月27日、川内村

 震災、原発事故からの農業再生を進める川内村で、震災後に始まった生食用ハウスブドウが新たな特産品となっている。栽培農家や栽培面積が年々増加しており、生産者は「ハウスブドウで川内村のPRにつなげたい」と意気込む。

 同村では、多くの農家が水稲の育苗ハウスでブドウの木を育て、育苗で使わない時期に空いたスペースを有効活用するのが特徴だ。また露地栽培より病害虫のリスクが抑えられ、コストや手間の減少が期待できる。

 水稲中心だった農家の所得向上にもつながっている。

 2014年ごろに県オリジナル品種「あづましずく」や「シャインマスカット」などの実証栽培を始めた。その後、農家7戸で「川内村ハウスブドウ生産組合」を設立し、約10アールで栽培した。以降は年々増加し、現在は45戸で約1ヘクタールを栽培する。

 「原発事故に伴う避難や水田の除染でコメ作りができない年が続いた。村の農業再生のために新しい挑戦をしたかった」。同組合代表の秋元英男さん(70)はブドウの手入れをしながら思いを語った。初めてのブドウ栽培は苦労の連続だった。ブドウの実のバランスを学ぶため「デパートでブドウを買って参考にした。値段は高かったんだよ」と笑う。

 村は22年から「ぶどう品評会」を開き、生産者の意欲向上を図る。栽培農家の出荷先は村内の農産物直売所「あれ・これ市場」が中心だが、生産量増加に対応して新たな販売先の確保が必要だ。村担当者は「特産品として売り込み、販売先を拡大させたい」とした。

 村内の栽培農家はより高品質なブドウを栽培したいと意欲的で、定期的に県双葉農業普及所の指導を受け、栽培手法を高めている。秋元さんは「川内のブドウはおいしいと言われるように頑張りたい」と充実した表情を見せた。