住民が心寄せる場に...請戸に「先人の丘」完成 3月11日に式典
東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた浪江町請戸地区で、町が請戸共同墓地跡地に整備していた「先人の丘」が完成した。東日本大震災から丸11年となる11日、現地で完成式が行われる。
海岸から約600メートル西にあった請戸共同墓地は、震災の津波により、墓石が破壊され、遺骨は流出した。その後、多くの墓は町が2015(平成27)年に整備した町営大平山霊園に移設されたが、一部の墓石は墓地に野積みで置かれたままとなっていた。
先人の丘は、津波で破壊された墓石を集めて土をかぶせた直径40メートル、高さ5メートルの丘。先祖が再び安らかに眠れるようにして、地域住民が心を寄せる場とする。整備中に見つかった骨は、敷地内に設けたひつぎに集め、保存している。また津波で流失した地域の記念碑なども再建立した。工事費は約1億8200万円。
町は「震災で壊滅的な被害を受けた住民の心を結び、地域の歴史と震災の経験を後世に伝える施設となるよう努めていく」としている。
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