【首長に聞く】楢葉町長・松本幸英氏 若い世代の居住者増へ

楢葉町は道路や施設などハード面の復興がほぼ完了した一方、住民の帰還の動きは鈍く、特に若い世代の居住者をいかに増やせるかが課題となっている。松本幸英町長は「町のファンを増やし、移住と定住を促進する」と力を込める。
―復興の現状と課題は。
「温泉施設の再開や屋内体育施設の新設などハード事業が進み、復興に弾みがついた。特に2018年6月に開設した医療や商業、交流施設を集積した復興拠点はコミュニティー再生の場となっている。一方、町内居住率は約6割まで回復したが、帰還する住民の増加数は頭打ちの状況だ」
―重要施策に掲げる移住の促進にどう取り組むか。
「仕事と住まいの確保に加え、余暇の充実という視点も重視しながら、移住を検討する人のニーズを的確に捉えたい。海や山、川を自然体験フィールドとして活用するなど町の魅力を高め、移住につながる交流人口の拡大にも努めていく」
―産地化を進めるサツマイモを活用した地域活性化の展望はどうか。
「17年度に約1.5ヘクタールからスタートした栽培面積は、現在45ヘクタールまで拡大した。サツマイモは健康に良い食材で、さらに普及したい。今後は新年度に完成予定の農林水産物処理加工施設を軸に、サツマイモを使った付加価値の高い特産品の開発と商品化など6次産業化に向けた取り組みを進める」
―今後のまちづくりの方針は。
「移住者ら新たな住民を含めたコミュニティーの再構築という視点も大切になってくる。震災前に各行政区が取り組んできた地域行事の復活など、人と人をつなぐイベントの実施も必要だ。復興を担う人材を確保するという思いも込め、若い世代を呼び込む魅力的なまちづくりにスピード感を持って取り組みたい」
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