戦争・災害のない世界願う ウクライナ出身カテリーナさん演奏

ウクライナの伝統楽器バンドゥーラを奏でるカテリーナさん=午後2時35分、いわき市
ウクライナ出身で、同国の民族楽器「バンドゥーラ」奏者のカテリーナさん(35)=東京都在住=が11日、いわき市の道の駅よつくら港で演奏した。ロシアのウクライナ侵攻や福島第1原発事故に触れ「戦争、災害、原発事故のない世界を願う」と弾き語りで鎮魂の祈りをささげた。
カテリーナさんはチェルノブイリ原発の近くの町に生まれた。生後約1カ月で原発事故が発生し、家族で首都キエフに移った。事故で被災した子どもたちでつくる音楽団に入団し、10歳の時に公演で初来日。19歳から日本に住んでいる。
福島第1原発事故後は「原発事故の経験者として、避難している人たちに温かい気持ちを届けられたら」とたびたび本県を訪れ、演奏している。民族衣装をまとったカテリーナさんはウクライナの歌や復興支援ソング「花は咲く」、「イマジン」などを、バンドゥーラを奏でながら歌い上げた。
キエフで暮らすカテリーナさんの母親(68)はロシアの侵攻後、脱出できずにいたが、2日間かけて8日にポーランドの避難所に入った。カテリーナさんは母親を日本に迎えるため、13日にポーランドに向かう予定という。
カテリーナさんは「11年前には(震災で)たくさんの人が亡くなり、古里を失った。私の古里も今は大変な状態。災害や戦争が起きず、世界中の人が健康に暮らしてほしいと願っている」と話した。
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