震災11年...復興願う光 優しく、郡山・県南各地で祈念行事

 

 郡山駅前 手漉和紙の灯篭600点の灯

 地域の伝統文化を生かしながら東日本大震災の記憶を未来につなぐイベント「復興の灯火プロジェクト」は11日、郡山市のJR郡山駅西口駅前広場で行われた。県伝統的工芸品に指定された同市の「海老根伝統手漉(すき)和紙」を使用した灯籠約600点が並び、優しい光をたたえた。

 郡山女子大短期大学部の主催。新型コロナウイルスの影響で十分な活動ができなかった市内の美術部や書道部に所属する高校生、復興公営住宅で暮らす双葉郡の住民らが和紙に11年目の思いをしたためた。「がんばっぺ福島」や「世界中が平和でありますように」などそれぞれの願いが光に照らされた。
 また、会場では県中地方振興局主催の「キャンドルナイト」も同時に開かれ、約500個のキャンドルが点灯した。同短期大学部による防災食の紹介や和紙の原料となるコウゾのお茶の振る舞いなども行われた。

 会場を訪れた同市在住の根本多恵子さん(36)は、幸汰君(7)と結月ちゃん(4)と一つ一つのメッセージを見て回った。根本さんは「震災でつらい思いをした人たちがたくさんいる。大好きな福島の復興を願う」と涙ながらに語った。

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灯籠が並んだ会場=JR郡山駅西口駅前広場

 浮かぶ「しらかわ」の文字

 「3.11ふくしま追悼復興祈念行事キャンドルナイト」は11日、白河市立図書館「りぶらん」駐車場で開かれ、「3.11しらかわ」の形に並んだキャンドルが参列者を優しい光で包んだ。

 オリジナルキャンドルホルダー制作コーナーや仮想現実(VR)を使用した防災体験コーナーが設置され、参加者が防災への意識を高めた。キャンドルコンサートも開かれ、同市コミネス交響楽団ジュニアアンサンブルStr(ストリングス)が三枝成彰さんの「震災のためのREQUIEM」などを演奏した。

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「3・11しらかわ」の形に並べられたキャンドル=白河市立図書館「りぶらん」

 棚倉、300本で「小径のともしび」

 棚倉町の町づくり団体「たなぐらまちづくりメイト」は11日、東日本大震災からの復興を願う「小径のともしび」を開いた。

 同町のまち工房たなぐら駐車場で実施された。約300本のキャンドルが使用され「3・11」の文字になるようにキャンドルを並べた。来場者は、キャンドルの幻想的な光を見ながら、復興に向けて思いをはせた。

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「3.11」の形に並べられたキャンドル=棚倉町・まち工房たなぐら