豊間の伝承...防災紙芝居に いわきの団体制作、経験を次世代へ

 
津波の伝承を基に完成した防災紙芝居

 いわき市のふくしま震災・復興まちづくり研究所は、地元に伝わる津波の伝承を基に防災紙芝居を制作した。19日にいわき震災伝承みらい館に寄贈する。担当者は「多くの人が防災について理解を深めるきっかけにしてほしい」と話している。

 同研究所は東日本大震災の被災や復興の経験を次世代に伝えようと2020年に設立された。防災教育や人材育成を目指して講演会などを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため活動を自粛していた。みらい館がコロナの影響で来館者が減少していることから、来館した子どもをはじめ大人まで楽しめるものを寄贈しようと、公益社団法人3・11みらいサポートの助成を受けて紙芝居を制作した。

 防災紙芝居は、同市の豊間地区に伝わる江戸時代の伝承を基に、海に現れた観音様が人間に津波が来ることを知らせたことでいち早く避難することができたという内容。地元高校生2人がボランティアで絵の制作に協力した。担当者は「職員や語り部の皆さんに活用してもらいたい」と話している。防災紙芝居の問い合わせは同研究所(電話070・5328・4257)へ。