11年ぶり業務再開 浪江町役場津島支所、浪江地区交通安全協会

 
津島支所の本格再開に向けて準備に当たる職員たち=1日午後、浪江町下津島(写真上)窓口を訪れた男性に会員証を手渡す吉田さん(右)=1日午後、浪江町・双葉署浪江分庁舎

 準備宿泊の前線拠点に

 浪江町役場津島支所は1日、同町下津島の津島活性化センターに支所機能を設け、11年ぶりに業務を再開した。段階的に支所機能を整備し、今秋に予定する特定復興再生拠点区域(復興拠点)の準備宿泊の対応など、復興の前線拠点として活用する。

 職員2人以上が常駐し、5月末をめどに電話などの通信設備、今秋までに各種証明書類の発行などができる体制を整える。センター内にはトイレや多目的室があり、一時帰宅など町民らの休憩場所として使える。

 再開初日は、職員たちが3月の地震で損壊した部分の掃除などに当たった。常駐する根本明彦支所長補佐は「本格再開までに準備を進める。町民の利用に柔軟に対応したい。気軽に立ち寄ってほしい」と話した。

 免許手続きなどに対応

 浪江地区交通安全協会は1日、双葉署浪江分庁舎で11年ぶりに窓口業務を再開した。東京電力福島第1原発事故からの復興再生が進む浪江、双葉、葛尾3町村の交通安全活動の拠点として、地域の交通事故防止活動に本格的に取り組む。

 窓口では、運転免許更新に関わる手続きや県収入証紙の販売、チャイルドシートの無料貸し出しなどを行う。原発事故後は県交通安全協会に経理業務などを委託し、交通事故防止を呼び掛ける街頭活動などを中心に業務を続けてきた。

 管内の3町村では現在、一部地域で避難指示が解除され、徐々に住民帰還が進み、特定復興再生拠点区域の整備も進む。職員2人を確保できたことから、窓口業務の再開にこぎ着けた。

 再開初日は浪江分庁舎では辞令交付式を行い、長沼克往会長が業務に当たる吉田都美さんに辞令書を手渡した。

 長沼会長は「震災前に当たり前にできていたことを再開していくことが大事だ」と話した。再開後の窓口には住民が訪れ、手続きを進めていた。