復興への思いフォトモザイク、再び双葉の地に エールとともに

 
フォトモザイクアート(左側)を展示した広瀬はるさん(左)とみおさん。右側のボードに各地から寄せられたメッセージを貼り出している

 横浜市に住む広瀬まみさん(22)、みおさん(20)、はるさん(16)の3姉妹と、ふたば未来学園高の社会起業部が震災10年を機に共同製作した「フォトモザイクアート」が、8月末まで富岡町の文化交流センター学びの森に展示されている。

 作品は2021年3月11日に広野町の追悼イベントでお披露目された経緯があり、これまで各地で展示されてきた。作品を見た国内外の人からの応援メッセージとともに、再び双葉の地に戻った。

 広瀬さんらは、父親がいわき市出身であることなどをきっかけに、東日本大震災の復興支援に取り組んできた。フォトモザイクアートは新型コロナウイルスの感染拡大が続いている中で、さまざまな人の本県への思いが一つになった作品を仕上げようと、全国から本県の風景などを題材とした写真を募った。その上で、約2千枚の写真を組み合わせ、浪江町の請戸川リバーラインの桜並木を表現した。

 広野町のイベントでお披露目された後は、広瀬さんらが住む神奈川県を中心としたさまざまな会場で展示され、その際には「メッセージの木」として、来場者に木の葉の形のカードに本県への思いを書き、画用紙に貼り付けてもらう企画も行っていた。富岡町での展示では、それらのカードも合わせて紹介している。

 「福島に行ってみたい」という感想や、子どもの筆跡で「ふくしまがんばれ」とのエールなどが寄せられている。成田、福島両空港や国際交流関連の施設に展示したこともあったため、ドイツやインドの人からのメッセージも含まれている。

 みおさんとはるさんが今月1日に富岡町を訪れ、文化交流センター学びの森のホールに作品などを設置した。みおさんは「言語や文化を超えて福島の魅力を伝えることができたと思う。(各会場で寄せられた)福島へのメッセージをぜひ届けたかった」と語った。

 広瀬さんらは現在、フォトモザイクアートに寄せられた写真や送り手の思いなどをまとめたフォトブックを作成し、英訳して各国の在日大使館に届ける活動を展開している。