津波被害乗り越え復活 いわきサンマリーナ、メイン桟橋など再開

 
初日にプレジャーボートを係留した利用者

 東日本大震災による津波で大きな被害を受け休止していたマリンスポーツ拠点施設「いわきサンマリーナ」(いわき市)が1日、メイン桟橋など船舶を係留するエリアの利用を再開した。初日から再開を心待ちにしていた利用者が訪れた。

 「震災では船などが全て流されてしまった。復旧は感無量だ」。震災当時、施設にプレジャーボートを置いていた同市の会社社長成田淳さん(62)は語る。当時、自身の船が流されるのを高台から見ており、「ショックというよりも言葉にならないほどだった」と振り返る。

 施設の復旧に向けて国や県に陳情するなどの活動を続けてきた成田さんは「再開に合わせて船を再び購入した。震災前のようなにぎわいが戻るように応援したい」と笑顔を見せた。

 初日にプレジャーボートを係留した茨城県北茨城市の60代男性は「以前もここを利用していて、今回戻ってこられてすがすがしい気持ちだ。これから海を存分に満喫したい」と話した。施設の指定管理者のボートショップ「海」を運営する大起造船工業(いわき市)の水野恵一郎社長(65)は「復活への第一歩を踏み出せた。にぎわいのあるマリーナにしていきたい」と抱負を語った。

 サンマリーナは1995年のふくしま国体のセーリング競技会場として整備され、クラブハウスなどもあった。震災の津波で船舶を係留するエリアや係留してあった船が流出した。震災後に県が復旧事業に着手し、遊歩道などを整備。公園部分は誰でも立ち入れるようになっている。