浪江の国玉神社再建、復興の舞 遷宮祭、8月に盆踊りも再開

 
東日本大震災で被災し、再建された国玉神社。境内では川添芸能保存会の獅子舞が奉納された=17日午前、浪江町

 浪江町川添の国玉神社の再建を祝う遷宮祭が17日、現地で行われた。同神社は2011(平成23)年3月の東日本大震災で被災し解体を余儀なくされたが、地域住民や氏子が力を合わせて社殿を復活させた。8月14日には、震災で中断したままになっていた盆踊りも再開される予定で、地域の絆がさらに強まることが期待される。

 国玉神社は国道114号沿いにあり、川添地区の住民の心のよりどころだった。住民らは「小さくてもいいから復活させよう」と再建委員会を設立して計画を進めてきた。工事に着手した2年前に寄付を呼びかけると、住民の間で口コミで広がり、100件以上、800万円を超える浄財が集まった。結果として、震災前とほぼ同じ大きさの社殿となった。

 遷宮祭は、これまで大事に保管していたご神体の鏡を神社に戻す行列から始まった。神社に到着すると神事に移り、関係者が玉串をささげて再建を報告した。

 同神社を拠点に活動していた浪江町川添芸能保存会による獅子舞が奉納され「川添繁栄、大繁栄。浪江復興、大復興」のかけ声に各地から集まった住民から笑みがこぼれた。再建委員会の大和田和雪さん(70)は「感無量です。地域のつながりの強さが分かった」と語った。その上で「これからは若い人たちに継いでいってほしい」と川添地区をはじめとした浪江町の再生を次世代に託していた。