伝統の獅子舞に地域再生誓う 浪江・国玉神社再建で活動拠点復活

 
地域再生に向け躍動感ある舞を披露した保存会のメンバーら

 17日に行われた浪江町川添の国玉神社の再建を祝う遷宮祭では、浪江町川添芸能保存会が獅子舞を奉納した。2011(平成23)年の東日本大震災で失われていた活動拠点の復活に、保存会メンバーは舞を通じて地域再生を誓っていた。

 同保存会は元旦祭や例大祭などで獅子舞を奉納していたが、メンバーそれぞれも震災と東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされた。しかし、石沢孝行会長を中心に活動を再開し、15年からは浪江町民の避難先で神楽を舞った。時間の経過に従い、仮設住宅から公営住宅と舞う場所は変わったが、継続して避難中の町民を勇気づけてきた。

 遷宮祭では、久しぶりに神社境内に笛や太鼓の音色が響き、力強い獅子舞が集まった町民を魅了した。石沢会長は「活動を少しずつ以前の形に戻していきたい」と地区の伝統芸能を引き継いでいく決意を新たにしていた。8月14日には神社の盆踊りで獅子舞を披露する。