響く町民歌...双葉再生へ決意 新庁舎開庁、旧役場ダルマに目描き

 
(写真上)新庁舎開庁式典で「双葉町民の歌」を披露したコーラスふたばのメンバーら、(写真下)2011年から旧役場にあったダルマに目を描き入れる伊沢町長

 「栴檀(せんだん)芽をふく双葉の空に 四季をいろどる阿武隈の山。椎葉(しいは)の野辺は風さわやかに 清き流れに大地はひらく」。27日に行われた双葉町役場の新庁舎開庁式は、コーラスふたばの「双葉町民の歌~未来をみつめて」で始まった。関係者は、町民歌で歌われる豊かな自然と、新たな市街地が融合したまちづくりに決意を新たにしていた。

 式典では、多くの来賓が行政機能の双葉町内への復帰を祝った。内堀雅雄知事は「何としても町を残そうという強い思いを胸に、古里の復興再生に努めてこられたことに深く敬意を表します」と、多くの苦難を乗り越えてきた双葉町民の歩みをたたえた。双葉地方町村会長の遠藤智広野町長は「それぞれが直面する困難な課題に対し、双葉地方8町村が心一つに取り組んでいきます」と述べ、双葉町にエールを送った。

 伊沢史朗町長が、原発事故が発生した2011年から旧双葉町役場に置かれたままになっていたダルマに目を描き入れた後、テープカットが行われた。整備されたばかりの庁舎前では、標葉せんだん太鼓保存会の記念演奏が行われ、町の再出発を後押しするような勇壮な音色が、双葉の空に響きわたっていた。