「いわき事務所」...最後の業務 双葉町役場、新庁舎に主要機能

 
「いわき事務所」としての最終業務に当たる双葉町の職員ら

 双葉町は2日、いわき市東田町の町役場いわき事務所で職員が「いわき事務所」としての最終業務に臨んだ。町は5日から、双葉町長塚のJR双葉駅前に完成した新庁舎に主要機能を移し、約100人の職員が勤務する体制で復興に向けて新たなスタートを切る。

 いわき市周辺で避難生活を続ける町民が多いため、町はいわき事務所を「いわき支所」に切り替えて窓口機能を残し、職員約20人が引き続き業務に当たる。

 町は東京電力福島第1原発事故の影響で全町避難を余儀なくされ、川俣町や埼玉県加須市などに役場機能を移した。2013(平成25)年、いわき市にいわき事務所を構え、約9年間にわたり業務を続けてきた。

 新庁舎がある町内の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が8月30日に解除されたことを受け、行政機能の帰還がようやく実現した。いわき事務所の業務最終日を迎え、伊沢史朗町長は「いわき市の皆さんには大変お世話になった。町に戻り、より一層力を入れて復興に取り組んでいきたい」と決意を語った。