震災後初「子どもみこし」復活へ準備 11月19日から浪江の十日市

 
子どもみこしの復活に向けてみこしを掃除する子どもたち

 浪江町の秋を盛り上げる伝統行事「復興なみえ町十日市祭」は19、20の両日、同町権現堂の浪江町地域スポーツセンターで開かれる。今年は地域の子どもたちが元気いっぱいにみこしを担ぐ子どもみこしが東日本大震災と東京電力福島第1原発事故前の2010年以来、12年ぶりに復活する。権現堂地区の住民らは12日、みこしの掃除などに取り組むイベントを開いた。

 「子どもみこしは、地域の子どもたちが一番楽しみにしていた十日市のイベントだった」。権現堂区長会長の佐藤秀三さん(77)は振り返る。権現堂地区は8区あり、区ごとに子どもたちがみこしを担いだ。「わっしょい」のかけ声とともに、さい銭を求めて歩いた。そのさい銭は子どもたちが十日市で遊ぶための資金となっていた。

 9基あったみこしは一部が震災で壊れたが、残る7基は佐藤さんらが保管してきた。12日のイベントには町内外から約50人が参加し、タオルなどでみこしをきれいにした。企画者の一人の石橋いづみさん(55)は「新しい移住者とも一緒にみこしの掃除ができた。みこしは会場に展示するので、見に来てほしい」と話した。十日市は、新型コロナウイルスの影響による中止を経て3年ぶりに開かれる。子どもみこしは19日午前10時に始まるオープニングセレモニーで行われ、なみえ創成小の子どもたちが法被を着て担ぐ予定だ。