来春の避難指示解除、富岡町長「一定の理解得られた」

 

 富岡町は27日、郡山市で帰還困難区域内に整備している特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示解除に向けた町政懇談会を開いた。富岡町、いわき市と合わせて3会場での開催を終え、山本育男町長は福島民友新聞社の取材に対し「来春の避難指示解除を目標とする町の考えに一定の理解は得られたと思う」と述べ、政府や町議会と避難指示解除の時期などを詰めていく考えを示した。

 今後想定される流れは【図】の通り。避難指示解除には放射線量が低減した環境が不可欠であることから、町は有識者らで構成する「除染検証委員会」に現状の評価や課題などについて意見を聞く。町議会に対しては、今回の懇談会で寄せられた住民の反応などを報告するなどして、解除に向けた課題や日程などを協議する見通しだ。

 27日の懇談会では、参加者から「避難指示の解除後も復興拠点の除草をしてほしい」「空き家などの管理体制を強化してほしい」などの意見が相次いだ。富岡町やいわき市での懇談会でもこれらの指摘が相次いだことから、町は政府と調整し、改善点などを報告、説明するための再度の懇談会の開催などを検討していく。

 内閣府の担当者は「懇談会を通じて、住民の帰還意欲が強いことが分かった。町と連携して早期解除に向けて取り組む」とした。しかし、町側から環境改善に向けて対応を求められている点について、十分に回答していない事項もあることから、政府側の早期の制度改善も課題になりそうだ。