震災の記憶伝承考える 富岡で被災3県シンポ

 
自らの経験から次世代への継承に必要な取り組みなどについて語る畠山さん(中央)

 東日本大震災の被災3県の語り部団体などでつくる民間団体「3・11メモリアルネットワーク」は18日、富岡町で「東日本大震災伝承シンポジウム―福島から考える伝承の未来」を開いた。震災から間もなく12年となる中、震災の記憶をどのように次世代に伝えていけばいいのかをテーマに関係者が意見交換した。

 シンポジウムは毎年企画されており、本県での開催は初めて。震災の記憶がある被災3県の若者によるパネル討論「わたしたちの次の世代に伝え継ぐために」には、富岡町出身で、小学2年で震災と東京電力福島第1原発事故に遭った畠山歩さん(津田塾大2年)が参加した。

 畠山さんは震災関係のニュースから目を背けていたが、ふたば未来学園に入学し、探究型の学習に参加することで震災に向き合うようになった経験を語った。その上で、若者が伝承活動に加わるには「あと一歩の後押しをしてくれる大人がそばにいることが重要」と述べ、若者のサポートが求められると指摘した。

 このほか、本県関係では、ふたば未来学園中・高の南郷市兵副校長と、NPO法人「富岡町3・11を語る会」代表の青木淑子さんが取り組みを報告した。