OWV本田康祐さん「今の福島伝えたい」 3月11日郡山で初ライブ

 
「一人でも多くの人に『福島っていい場所だな』と感じてほしい」と話す本田さん=郡山市・けんしん郡山文化センター

 東日本大震災から12年の節目となる3月11日、本県出身の本田康祐さん(27)がリーダーを務める4人組ボーイズグループ「OWV(オウブ)」が郡山市で県内初のライブを行う。中学生で震災を経験した本田さんは「ライブを通し今の福島の魅力を伝え、一人でも多くの人に『福島っていい場所だな』と感じてもらいたい」と話す。

 2020年、吉本興業からグループでデビューした。発売したシングルCDは7枚になり、日本各地でライブ活動を行う。本田さんもテレビのバラエティー番組やドラマにも出演するなど、活躍の場を広げている。

 「3月11日にライブをすることは、うれしい半面、不安もある」。11年3月11日、本田さんは当時、中通りの中学3年生だった。卒業式を終え、自宅に戻ると大きな揺れに襲われた。電気が止まり、ろうそくの火の明かりだけで過ごした夜もあった。テレビのニュースで流れる津波や被害の映像に「大変なことに出くわした」と感じた。

 高校の合格発表は延期になり、入学後も高校の体育館は避難所として使われていた。同級生の中には、東京電力福島第1原発事故の影響で家に戻ることができず転入してきた人もいた。

 あれから12年。高校卒業後はダンサーを目指して専門学校に通い、出場したオーディションをきっかけにOWVとしての活動が始まった。今回のライブは4都市を巡るツアーの初日となる。OWVとして古里で行う初のライブが、節目の日と重なった。「福島でライブをすることが夢だった。自分をきっかけに福島に興味を持ってくれる人が増えたらうれしい」。ライブを控え、会場となるけんしん郡山文化センターに足を運んだ。「福島で大変なことがあったこと、それを乗り越え、復興に向け頑張っている姿を多くの人に伝えたい」と本田さんは力を込める。

 県内初となる「OWV LIVE TOUR 2023―CASINO(カジノ)―」は、3月11日にけんしん郡山文化センター・大ホールで開かれる。ツアーは19日に大阪府のNHK大阪ホール、21日に福岡県の福岡国際会議場、4月1日に東京都のNHKホールを巡る。詳細は公式ホームページへ。