「13回忌」震災犠牲者に追悼の祈り 真言宗豊山派、相馬で法要

 
震災犠牲者の遺骨を預かってきた慰霊堂で行われた13回忌法要=相馬市・相馬妙見歓喜寺

 全国で約3千の寺院を擁する真言宗豊山(ぶざん)派は1日、福島県相馬市で東日本大震災の13回忌法要を行い、参列者が震災の犠牲者に追悼の祈りをささげた。

 同派は毎年3月、事務所がある東京都内などで慰霊法要を営んでいたが、13回忌に合わせ、被災地に改めて寄り添う思いを示そうと、東北地方での実施を計画した。同派の役員のほか、相双地方の豊山派寺院の僧侶や檀家(だんか)など約100人が参列。法要を取り仕切る導師を、同派トップで総本山長谷寺(奈良県)の化主(けしゅ)(住職)、浅井侃雄(かんゆう)管長が務めた。

 会場となった相馬市の相馬妙見歓喜寺にある慰霊堂は、震災後、仮住まいで遺骨を近くに置くことができないといった檀家の相談を受けて建立され、津波の犠牲者などの遺骨を預かってきた。堂内に読経の声が響く中、参列者が焼香して手を合わせた。

 法要後、浅井管長は「いまだに多くの方が苦労している。浜通りが元の豊かな姿に戻ることを祈念する」と述べた。相双地方の同派寺院をまとめる宗務支所長の林心澄(しんちょう)清水寺住職(浪江町)は「復興は進みつつあるが、人と人の関係が希薄化している。こうした法要などを通じて人のつながりを大切にしていきたい」と話した。