役場語り部、楢葉町職員が語る震災 「判断力や決断力を養って」

 
磐城さん(右)の話に聞き入る職員

 楢葉町は2月28日、東日本大震災を経験した職員が震災当時の対応などを語る「役場語り部」を町役場で行った。町議会事務局長の磐城恭さんと、住民福祉課長の松本智幸さんが災害時に備える大切さを伝えた。

 震災後に入庁した職員が半数を占める中、若手職員らに災害時の対応や心構えを学んでもらおうと昨年から実施している。今回は職員約20人が参加した。

 磐城さんは震災翌日、町内を巡回して住民に避難を呼びかけたり、寝たきりの人を役場まで運んだりした経験を説明した上で「あの時は住民のことしか考えていなかった。想定外の事態を想定しながら、事前にできる準備をしてほしい」と語った。

 松本さんは「(災害時には)その場その場で判断を迫られることが多い。普段から判断力や決断力を養っておくことが必要だ」とし「公務員は人と仕事をする。だからこそ普段から人とのつながりを大切にしてほしい」と訴えた。

 2011(平成23)年4月に入庁したくらし安全対策課の主任主査渡辺信彦さんは、講話を通して「震災前や震災当時の楢葉を知ることができたのは良い機会だった。今後の業務に生かしたい」と話した。