児童に防災力、災害時の調理体験 楢葉で防災と伝承週間始まる

 
消防団員と協力しながらポリ袋調理を体験する子どもたち

 楢葉町地域学校協働センターは6日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の記憶の風化を防ぐため子どもたちと地域が一体となって防災力を高めてもらおうと、町内で伝承教育活動を始めた。楢葉小の児童が地域住民と一緒に、災害時に必要な備えや心構えを身に付け、11日に学びの成果を発表する。

 町は、震災と原発事故の教訓を伝承し、住民の防災意識を向上させる活動に取り組んでいる。その一環で、震災が発生した11日までの1週間をめどに、今年から「ならは防災と伝承週間」と条例で定めた。

 初日は児童約40人が町消防団員らと協力し、調理器具が準備できない災害時でも簡単にできる「ポリ袋調理」に挑戦した。子どもたちは、袋に入れた卵と牛乳を手でもみほぐし、沸騰させた湯に漬けてオムレツを完成させた。4年生の関根優太君(9)は「簡単においしく作ることができた」と手応えを話した。

 調理実習に先立ち5、6年生は、町が作製した防災教育の副読本を活用して学習し、海沿いの被災地を巡った。児童は今後、段ボールベッドや新聞紙のスリッパ作りなどにも取り組む。