富岡の復興拠点、避難指示解除 5年後1600人居住目指す

 
避難指示が解除された夜の森地区。県内有数の桜並木は満開に咲き誇り、大勢の家族連れらでにぎわった=1日午前、富岡町

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、富岡町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で1日、避難指示が解除された。同町の復興拠点は、夜の森地区を中心とした町北東部の約3.9平方キロ。夜の森地区にある県内有数の桜並木は、青空の下で満開に咲き誇り、本格的な地域再生の節目を祝うかのようだった。

 富岡町は午前9時の避難指示の解除に合わせ、JR夜ノ森駅前で地域防犯出動式を行った。桜並木に面した旧富岡二中の校庭では「さくらフェスタ」が開かれ、特設ステージで多くの町民が集う中、正午過ぎに避難指示解除記念セレモニーが行われた。山本育男町長が「避難指示解除は町にとって大きな一歩。町内全域の復興再生の早期実現に全力を尽くす」と決意を述べた。岸田文雄首相らも祝辞を述べた。

 解除になった復興拠点内には3月1日現在、1143世帯2580人が住民登録している。町は居住環境の整備を進め、5年後には約1600人が居住することを目指している。拠点の解除は葛尾、大熊、双葉、浪江の4町村に続き5例目。残る飯舘村は春の大型連休ごろの解除を予定している。

 またこの日は、2017年に富岡町の居住制限、避難指示解除準備の2区域の避難指示が解除されてから丸6年の節目となった。3月1日現在、町内には2110人が生活している。