心一つ...避難指示解除翌日に祭り 飯舘・長泥住民「復興へ歩む」

 
例大祭後に社殿で親睦を深める参列者ら

 飯舘村長泥地区の住民有志が2日、地区北側にある「金花山(きんかさん)神社」で例大祭を開いた。長泥地区では1日に東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が解除され、避難先から集まった参列者が古里再生に向けて気持ちを一つにした。

 同神社は地区北側の戦山(たたかいやま)の山頂にあり、2005年に新築された社殿がたたずんでいる。原発事故後は全村避難により、社殿の維持管理が行き届かなくなってしまった。そのため長泥地区をはじめとする住民有志が避難先から通い、社殿の清掃や周辺の草刈り、参道整備などを手がけ、原発事故後も毎年5月2日に欠かさず例大祭を開いてきた。

 例大祭には住民約10人が参列し、綿津見神社の多田宏宮司が神事を執り行った。地頭を務める長泥地区出身の鴫原清三さん(68)=福島市在住=が「ようやく避難指示が解除された。長泥地区の復興に向けて、住民同士が手を組んで歩んでいきたい」とあいさつした。