被災者に寄り添う舞台を 富岡町民劇団発足、初公演へ7月本格始動
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に翻弄(ほんろう)された被災者の歩みを劇で伝える富岡町民劇団が21日、発足した。富岡町文化交流センター学びの森で行った結団式で劇団名を「ホーム」に決定し、団長に同町の平良結香里さん(56)を選んだ。団員たちは初公演となる10月の朗読劇に向けて気持ちを高めた。
劇団は、住民避難を題材とした町民劇を2019年に披露したメンバーのうち県内外で暮らす20~70代の男女15人が旗揚げした。劇団名のホームは、町民劇の題名に由来し、団員で共有する「誰もが居心地よく、気軽に集まれる劇団になりたい」との願いを込めた。
初公演は10月7日、福島市のとうほう・みんなの文化センターで開かれる。朗読劇で取り上げるのは、避難者の声をまとめた記録集「生きている 生きてゆく ビッグパレットふくしま避難所記」。団員たちは、避難所で足湯のボランティアをした人たちが集めた避難者の肉声を、当事者の気持ちや自分なりの表現を追求して読み上げる。
結団式には全団員15人中12人が出席。7月から本格的な練習を始めることや、富岡町と郡山市を練習会場にするとした本年度事業計画を決めた。10月の富岡芸能祭や12月の富岡演劇祭に出演する方針も確認した。
平良さんは「劇団の仲間がいつも笑顔で過ごせるホームのような劇団にしていきたい」と意気込んだ。
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