一つでも手掛かりを 双葉署員ら、浪江の海岸で震災不明者捜索

 
行方不明者の手掛かりを捜す警察学校初任科生たち

 双葉署は31日、浪江町請戸地区の海岸で東日本大震災による行方不明者の捜索活動を行った。参加した警察官たちは「何か一つでも手掛かりを見つけ出したい」と思いを共有し、警察官としての責務や誇りを胸に刻みながら捜索に当たった。

 今回は同署員のほか、被災地研修の一環として4月採用の県警察学校初任科生、本県に4月から特別出向した災害対策課特別警ら隊員(愛称・ウルトラ警察隊)を含めて約90人態勢で捜索した。

 レーキなどを使って砂を丁寧にかき分け、行方不明者発見の手掛かりとなる品を捜した。

 捜索に先立ち、部隊集結式を現地で行った。佐藤裕治署長は、今なお請戸地区で24人が行方不明である状況を説明し「警察官としての誇りと使命感、警察魂を胸に刻み捜索に当たってほしい。行方不明者の家族は今も、家族の帰りを強く願っている」と訓示した。

 捜索に初めて参加した初任科生代表の水口武彦さん(32)=伊達市出身=は「古里福島のため何か一つでも手掛かりを見つけ、県民の力になりたい」と話した。同じく初任科生の松崎菜々子さん(23)=いわき市出身=は「震災から12年が過ぎ、手掛かりは少ないかもしれないが、絶対に見つけるという気持ちが大事だと思う」と語った。

 同署によると、今回は手掛かりになるような物は発見できなかった。