14年ぶり安全祈願祭 双葉町騎馬会、行列復活前に無事の凱旋願う

 
帰り馬行列で無事の凱旋などを願う双葉町騎馬会の武者たち=11日午前、双葉町

 国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」の標葉郷(しねはごう)騎馬会(浪江町、双葉町、大熊町)に所属する双葉町騎馬会は11日、野馬追の出陣に向け、町内の初発神社で14年ぶりに安全祈願祭を行った。双葉町騎馬会は町内で14年ぶりとなる騎馬武者行列を復活させることから、騎馬武者たちは威風堂々の出陣と古里での無事の凱旋(がいせん)を願った。

 復活する騎馬武者行列は、野馬追2日目の26日に行われる「帰り馬行列」で、双葉の全9騎馬が参加する。南相馬市の雲雀ケ原祭場地で戦いを繰り広げた騎馬武者たちが古里に帰還し、戦果を報告する。午後4時10分に町民グラウンドを出発し、JR双葉駅前の約1キロを行軍する。

 11日の安全祈願祭には全9人が参加し、神前に玉串をささげた。双葉町騎馬会長で標葉郷侍大将の中川健治さん(61)は「全騎馬が無事の凱旋を果たせるよう祈った。双葉町民の皆さんに元気を届けたい」と語った。

 東京電力福島第1原発事故により、現在も南相馬市に避難している中川さんは原発事故後も出場を続け、双葉町騎馬会の歴史をつないできた。今年で37回目の出陣となる。

 今年は孫の2人が初陣を迎えるため、3世代の家族計6人で出陣する。孫の一人で、初陣の元之将(げんのすけ)ちゃん(4)は「馬から落っこちないように頑張る」と話し、中川さんは目を細めた。

 相馬野馬追の騎馬武者行列を巡っては、震災と原発事故からの復興に伴い各地で復活した。避難指示が出た地域では南相馬市小高区で2017年、浪江町で18年、大熊町で22年に行列を再開。双葉町は22年8月に特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示が解除され、居住者が戻りつつあることから行列が復活する。今年の野馬追は25~27日の3日間、南相馬市を中心に相双地方で開催される。