「相馬流れ山踊り」震災後初披露 相馬野馬追、双葉の騎馬行列で

 
合同練習を行う双葉町と大熊町の保存会メンバー(写真上)14年ぶりの町内での相馬流れ山踊りに向けて練習に臨んだ双葉町保存会のメンバーら(写真下)

 双葉町相馬流れ山踊り保存会は12日、相双地方の国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」(25~27日)を巡り、町内で14年ぶりに相馬流れ山踊りを披露することを決めた。町中心部が特定復興再生拠点区域(復興拠点)として避難指示が解除され、今年は双葉町騎馬会による騎馬行列が行われることも踏まえた対応で、東京電力福島第1原発事故で休止を余儀なくされていた伝統がまた一つ復活する。

かつての双葉町では、野馬追で南相馬市の雲雀ケ丘祭場地から凱旋(がいせん)した騎馬武者は、旧町役場から行列を開始して町内を巡った。保存会は、行列の終着点の町民グラウンドで陣笠や陣羽織を身に着けて相馬流れ山踊りを披露し、町民と共に行列を迎え入れるのが恒例だった。14年ぶりの流れ山踊りは、会場をJR双葉駅前に変えての開催となり、野馬追に合わせて古里を訪れる町民の前で舞うことになる。

 相馬流れ山は、相馬中村藩の国家・軍歌であり、南相馬市の野馬追の本祭りで踊りが披露される。その踊り手は野馬追を構成する五郷の持ち回りで、今年は標葉郷(しねはごう)の双葉町と大熊町が担当するというタイミングにも重なった。12日には大熊町の学び舎(や)ゆめの森アリーナで合同練習が行われ、本番さながらにほら貝や太鼓、流れ山の歌声に合わせ一つ一つの動きなどを確認した。

 会員、練習に熱

 双葉町相馬流れ山踊り保存会の今泉千鶴子会長(67)は「多くの会員が避難先にいるので再開を決める時には心配だったが、協力すると言ってくれた」と語った。町内で流れ山踊りを披露する26日には、遠くは山梨県から会員が駆け付けるという。「みんなに野馬追への思いがあった。うれしかった」。本番に向け、より一層気持ちが高まっている。