震災の教訓手話でつなぐ 富岡のNPO、語り部育成へ

 
育成講座の開催に向けて打ち合わせする青木代表(右から2人目)と小林事務局長(左)ら=富岡町役場

 NPO法人富岡町3・11を語る会は6月から、県聴覚障害者協会と連携し、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の経験や教訓を手話で伝える語り部育成講座を始める。現時点で本県に手話を使って活動する語り部はおらず、語る会の青木淑子代表(76)は「誰もが教訓を学び、災害に備える環境をつくりたい」と狙いを語る。

 青木代表によると、聴覚障害者が伝承施設を訪れても映像や文字だけでは十分な情報を得にくいという。協会にも手話ができる語り部を求める声があり、協力した講座を企画した。

 講座は全4回で、被災者の思いを学び、表現方法を習得する。6月30日に郡山市で始まり、8月18日に浜通りの被災地バスツアー、9月22日に富岡町で表現研修、10月14日に郡山市で内容の整理や表現の工夫を学ぶ。定員はろう者と手話通訳者の各12人。

 16日は富岡町役場で養成講座の打ち合わせを行った。協会の小林靖事務局長(65)は「震災後、聴覚障害者は情報が乏しくて苦労した。当時のもどかしさも語り部を通して伝えたい」、山田尚人さん(43)は「ホープツーリズムや11月に福島市で開かれる全国ろうあ青年研究討論会での活動が見込まれる。本県の経験を広く発信することが共生社会の実現につながる」と語った。

 受講の申し込みは17日から6月10日まで。受講料は無料(資料代など除く)。問い合わせ、申し込みは県聴覚障害者協会(電話024・522・0681、ファクス024・563・6228)へ。