復興象徴のワイナリー、富岡に25年春完成 地元産ブドウで醸造

 
(写真上)「とみおかワイナリー」の完成予想図。蔵を再利用し、醸造所と販売所などを整備する、(写真下)ワイン造りへの挑戦に意気込む遠藤社長(中央)。左は遠藤取締役、右は細川さん

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に取り組む富岡町に、地元産ブドウを使ったワインを醸造する「とみおかワイナリー」が誕生する。2025年春の完成予定で、同年秋に収穫されたブドウを使って「とみおかワイン」を醸造、26年春に販売を開始する。6日、同町のJR富岡駅東側にある建設予定地で地鎮祭が行われた。

 富岡町のワイン醸造会社「ふたばラレス」が建設する。遠藤秀文社長と町民有志が16年春から、沿岸部の丘でブドウの試験栽培を開始。18年には「とみおかワインドメーヌ」を設立、津波被害があった富岡駅東側にも農園を広げてきた。

 今春までにブドウ約1万2500本を植えており、今後は震災前の同町の人口と同じ約1万6000本まで増やす計画。20年には収穫したブドウを使い、かわうちワイナリー(川内村)で醸造して初の「とみおかワイン」を完成させた。自社ワイナリーの整備で、同町で醸造した初の「とみおかワイン」が完成する。

 建設するワイナリーは木造2階建てで、延べ床面積は約400平方メートル。建設予定地は遠藤社長の自宅跡地で、被災後も唯一残った蔵を再利用する。醸造所と販売所があり、レストランでは地元食材と一緒にワインが楽しめるようにする。駅近くのブドウ畑には醸造補助施設も整備する。

 地鎮祭には遠藤社長や遠藤直美取締役、醸造を担当する細川順一郎さんらが出席。遠藤社長は「8年かかってようやくこぎ着けた。復興のシンボルとして、町の顔となるワイナリーにしたい。多くの人に富岡に来てもらい、復興のプロセスを感じてもらえる拠点にする」と話した。

 遠藤社長の父は震災時の富岡町長だった故遠藤勝也さん。建設コンサルタント・ふたばも経営する遠藤社長は、家業の基となった「遠藤セメント工業」の法被を身にまとい「遠藤家の思いを背負い、復興に寄与したい」と意気込んだ。