広野町、居住人口の目標「5000人」 移住者向けの住宅地を整備

広野町は30日、東京電力福島第1原発事故に伴い指定された緊急時避難準備区域の解除から9年を迎えた。全町避難を経て、全町民の約9割が町に戻ったが、全体に占める65歳以上の人口は震災時の約2割から3割を超えるなど高齢化が進む。町は来年度の居住人口の目標を5000人と設定し、若い世代を呼び込むために新たな移住政策に取り組む。
町によると、9月28日時点の住民登録がある4756人のうち、町内居住人口は4286人。来年度の目標とする居住人口5000人は住民意向調査などを踏まえて設定し、町の施策の最上位計画となる第5次町勢振興計画に盛り込んだ。
町は新たな移住政策の柱として、津波被害からの復興が進むJR広野駅東側地区で、2022年度の分譲開始を目指し移住者向けの住宅地の整備を進めている。併せて、移住者らを対象に土地購入費用の一部を負担する「手厚い補助制度」(町復興企画課)を創設する方針。企業誘致の促進に向け、22年度の完成を目指し新たな産業団地の整備も進めており、若い世代の雇用の場の確保につなげる。
一方、同町折木の国道6号沿いに整備を計画していた「道の駅ひろの」は、造成工事中に掘削が難しい巨大な岩盤が露出したため、町は災害時の避難場所を兼ねた防災エリアの整備に計画を変更した。道の駅に代わり交流人口の拡大につながる起爆剤を生み出せるかどうか、住民は注視している。
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