「双葉交流センター」オープン! 原発事故後初、飲食店が営業

双葉町の産業復興や観光交流などの中核を担う複合施設「双葉町産業交流センター」(通称エフ・ビック)が1日、旧避難指示解除準備区域の同町中野地区に開所した。隣接する県の東日本大震災・原子力災害伝承館などと連携して国内外の人材が交流する機会を創出し、復興をけん引、発信する拠点として期待される。
鉄骨造り4階建ての同センターは、町が「働く拠点」に位置付ける同地区復興産業拠点に建設された。1階にフードコートや会議室、2階にレストラン、2~4階に貸事務所が入る。貸事務所には、東京電力福島復興本社や建設、運輸など県内外の10社が入居する。
開所式には、入居企業や飲食店の関係者ら約30人が出席。伊沢史朗町長が「皆さまの力添えをもらいながら、産業交流センターを中心ににぎわいを生み出し、町の未来を共につくっていきたい」とあいさつした。
いわき市から同センターに事務所を移転した町ふるさと復興事業協同組合の伊藤哲雄理事長は「町の復興をバックアップするとともに、会員事業所の復興に力を尽くしたい」と気持ち新たに語った。
フードコートでは、ファストフード店「ペンギン」と、なみえ焼そばを提供する「せんだん亭」、レストランでは「レストラン エフ」が営業を開始。町内で飲食店が営業するのは原発事故後初めてで、入居企業の従業員や伝承館の来館者らでにぎわった。長男がペンギンで働く双葉町の夫妻は、避難先の埼玉県加須市から訪問。「本当は元の町に戻りたいと思っていた」という女性は、新しい建物が完成し、若者らが働く姿に「変わっていくまちの姿を見てみたいと思えるようになってきた。世界の手本になるようなまちになってほしい」と願った。
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