校舎の面影...「交流の家」に残る 旧佐須小の黒板、児童の絵を

 
旧佐須小の面影が残る交流の家で談笑する村民ら

 飯舘村民の生活再生などに向けた活動に取り組む認定NPO法人「ふくしま再生の会」が整備を進めてきた村民の集いの場「交流の家」が完成し、4日、同村佐須の現地で記念セレモニーが行われた。

 同NPOは地元の老人クラブとの共催で、旧佐須小の校舎を活用した村民の交流会を開催してきた。

 閉校後も地域の交流拠点として活用されてきた校舎だったが、1月に解体された。村民から「気軽に集まれる場所が地域には必要」「記憶を次世代につないでいけるような施設があれば」などの声があったことから、交流の家の建設を計画。今後、世代を超えた交流創出や地域活性化を目指す。

 交流の家は木造平屋で、いろりのある部屋と和室を備える。外壁材には仮設住宅の廃材を活用。旧佐須小の黒板や扉、児童が描いた絵画なども活用し、当時の面影を残す工夫をした。

 同NPOと佐須行政区地域活性化協議会が昨年5月に開所した体験宿泊施設「虎捕(とらとり)の里 風と土の家」の隣に整備された。

 セレモニーでは、同NPOの田尾陽一理事長が「地域コミュニティー再生には交流の場が必要。村では移住者も増えており、地域の再生につながる施設にしたい」とあいさつ。菅野宗夫行政区長が「震災後、村民のつながりはばらばらになってしまったが、施設を拠点に村民の交流創出に期待したい」と述べた。

 旧佐須小の卒業生で二本松市の看護師、女性(55)は「母校の面影が残って良かった。地域が元気になってほしい」と話した。