飯舘彩る「チューリップ」 ふくしま未来研など遊休地に花農園

福島市のふくしま未来研究会、同市の建設会社ホクショー、飯舘村に拠点を構える地域創造研究所は来年4月、同村佐須に遊休地を活用した「チューリップ・花農園」を開園する。震災と東京電力福島第1原発事故からの復興再生を願う取り組みで、色とりどりのチューリップなどが咲く村の新名所として地域のにぎわい創出や交流人口の拡大につなげる。
「飯舘村農地再生フラワーガーデンプロジェクト」と銘打ち、同研究所の大規模農業景観を生かした観光産業創出事業の一環として3者共同で実施する。牧草地だった土地を活用し、木を伐採するなどして整地。約2ヘクタールに幅広い世代に親しまれているチューリップの赤や黄、ピンク、白、黒など多品種を植える計画だ。
現地で24日にチューリップの球根の植え付け作業が行われ、同研究会の佐藤勝三代表理事(81)、ホクショーの但木傑社長(54)、同研究所の石田みゆき社長(51)らプロジェクトメンバーが球根を一つ一つ丁寧に植えた。12月上旬までに計約25万個の球根を植える。今後、ネモフィラなどの花も栽培し、計約5ヘクタールに面積を拡大する予定。入園料は無料にするという。
2017(平成29)年3月末に原発事故による避難指示が一部地域を除いて解除された後も、村内に戻った人口は震災前の人口の3割に満たない。こうした状況から農地の再生や、交流人口の拡大が必要だと考えたという。石田社長は「多くの人に美しい景観を生かした花農園に足を運んでもらい、地域の復興につなげたい」、但木社長は「『東北の富良野』を目指し、年間を通じてきれいな花が咲く農園にしていきたい」と話した。
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