震災遺産から考える復興 県立博物館企画展、学芸員が解説

見どころを解説する筑波副主任学芸員
県立博物館(会津若松市)の企画展「震災遺産を考える―次の10年へつなぐために」の見どころ解説会は16日、同館講堂で開かれた。展示を担当した筑波匡介副主任学芸員が、展示されている「震災遺産」の収集の背景や展示に込めた思いなどを語った。企画展は3月21日まで。
同展には、震災後に同館が収集、保全を開始した震災遺産174件が展示されている。筑波副主任学芸員は、地震や津波の壮絶さを示す、止まった時計や火災で溶け落ちた街灯などを映像で示し「自然の力の大きさを感じる」と述べた。取り残された牛が空腹に耐えかねてかじったと考えられる、牛舎の痩せ細った柱などについても「震災を伝える大事な資料」と解説した。
全町避難で一日限りとなった富岡町の災害対策本部を再現した展示については「福島の経験を如実に物語る」と貴重さを語った。その上で、「展示を通じて福島の復興とは何かを考えてほしい」と訴えた。
見どころ解説会は30日と2月13日、3月11日にも開かれる。各回午後1時30分からで、先着100人。問い合わせは同館(電話0242・28・6000)へ。
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