中間貯蔵施設で土壌と草木類に分別 焼却灰は廃棄物貯蔵施設へ

 

 中間貯蔵施設の敷地面積は約1600ヘクタール。1月28日現在の集計によるとすでに運び込まれた除染土壌は約1036万立方メートルで、輸送対象物全体(約1400万立方メートル)の約74%となっている。

 中間貯蔵施設には主に〈1〉受け入れ・分別施設〈2〉土壌貯蔵施設〈3〉減容化施設〈4〉廃棄物貯蔵施設―がある。仮置き場から運ばれてきた土壌は受け入れ・分別施設で草木や土壌に分けられる。

 土壌は土壌貯蔵施設へ。この施設では土壌を重機で運び入れて締め固める。二重の遮水シートが敷かれており、地下への浸透を防いでいる。雨水などにより発生する水は、集配水設備によって浸出水処理施設に送られる。貯蔵が完了した後には、上部を遮水シートで覆い、さらに土で覆う。

 草木類、除染土を包んでいた大型土のう袋の残り片などは減容化施設(仮設焼却施設、仮設灰処理施設)で処理される。焼却灰と集じん装置で集まったばいじんは鋼製の角形容器に封入、廃棄物貯蔵施設に運ばれる。角形容器は内寸で幅1.3メートル、奥行き1.3メートル、高さ1.1メートル。1月末時点で、4162個が倒れないように固定した上で収められている。

 県外調査「知らない」80%

 中間貯蔵施設に搬入され除染土などは、最終処分場へと運ばれることとなるが、処分場の制度設計はほぼ白紙状態だ。

 環境省は有識者の検討を踏まえて「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略」と工程表を策定した。減容化、再生利用の技術開発などの研究と、イベントでの情報発信などによる国民的な理解醸成を同時並行で進めている。ただ、同省が昨年行ったウェブアンケートでは、県外の回答者(3466人)で県外最終処分が法律で定められていることを「聞いたことはあるが、内容は全く知らない」「聞いたことがない」と答えた人が約80%に上った。この結果は、まだまだ多くの人が最終処分場を意識していないことを浮かび上がらせている。

 中間貯蔵施設の設置年数は、搬入が始まった2015(平成27)年3月13日から数えて最長30年の45年3月12日まで。工程表では24年度に基盤技術開発を一通り完了するとしており、25年度からは最終処分の方向性を明確にして、処分場整備や搬入を進める方針だ。

 富岡には指定廃棄物処分場

 中間貯蔵施設とは別に、富岡町には、県内の指定廃棄物を処分する国有埋め立て処分場(旧フクシマエコテッククリーンセンター)があり、2017(平成29)年11月17日に初めて指定廃棄物が運び込まれた。