内堀知事「処理水、風評対策が重要」 海外メディアへ現状など発信

 
震災と原発事故後の本県の現状などを紹介する内堀知事

 内堀雅雄知事は17日、日本記者クラブ主催の記者会見と、フォーリン・プレスセンター主催の講演会にオンラインで参加し、国内外のメディアに震災と原発事故から10年となった本県の現状や課題を伝えた。

 内堀知事は、復興が進む一方、東京電力福島第1原発の廃炉など課題もあると指摘。産業復興を目指す福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想などを核に、「『チャレンジ県ふくしま』として挑戦を続ける」と語った。

 質疑では、放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法として有力視される海洋放出の是非について問われたが、「最も重要なことは風評対策。国はさまざまな意見を踏まえ、慎重に対応方針を検討してほしい」と述べるにとどめた。また廃炉の進捗(しんちょく)については「着実に前進しているが、30~40年という全体のスパン(期間)からみれば、まだスタートラインに近い状態だ」との認識を示した。

 特定復興再生拠点区域(復興拠点)以外の避難指示解除を巡っては、早期に道筋を示すよう国に求めるとし、「古里を思う心の火を消さないため、今後の方向性を示してもらうよう要請を続ける」と語った。