チアで復興後押し!ふたば未来高・和賀さん「双葉郡盛り上げる」

 
「応援返しをしたい」とチアコミュニティーづくりへ動き出した和賀さん。復興親善試合で元気を送った

 ふたば未来高1年の和賀菜々香さん(16)は、チアリーダー活動で古里復興を後押しする活動の一歩を踏み出した。2月28日にJヴィレッジで行われた復興親善試合を盛り上げ、未来につなぐパフォーマンスを披露した。

 応援返しをしたい―。富岡町出身の和賀さんは、「双葉郡をチアで盛り上げる」という明確な目的を持ってふたば未来高に進学し、チアをきっかけにした交流の場づくりを始めた。

 東日本大震災に遭ったのは幼稚園年長の時。避難した宮城県多賀城市で出合ったのが楽天イーグルスアカデミーのチアダンススクール。小学2年生の時から8年間活動し、イベントで宮城県の被災地を訪れる中、「自分が生まれ育った双葉郡の復興のためチアで何かをしたい」と思うようになっていた。

 古里に戻ろうと決意してから、双葉郡の現状を調べた。帰還は始まっているが、戻る人の足は鈍い。子どもたちの習い事も少なく、放課後体を動かせる場所がないことも知った。双葉郡に震災前にあったチアチームもなくなっていた。「それならつくろう」。やりたいことは増えていった。

 「帰りたくても帰れない人がいる。ライフラインもまだ十分でない」。震災から10年を迎え双葉郡のマイナスイメージを少しでも払拭(ふっしょく)したいという思いと、見渡せば復興のために頑張っている人が多くいることに気付かされた。チアは応援すること。この10年で今の双葉郡を創ってきてくれた人たちに感謝し、これからを創っていく人たちを応援したいと思った。

 和賀さんの活動は世界で活躍するダンサーやチアリーダーが被災地の子どもたちとの交流を通して夢や希望を届ける「ToBiRaプロジェクト」の支援を受ける。Jヴィレッジで行われたサッカーのいわきFCと福島ユナイテッドFCの親善試合では、仲間と共に約2000人の来場者を前に、伸びのあるパフォーマンスで元気を届けた。

 ふたば未来高は2年生から探究の授業があり、本格的な活動はこれから。和賀さんは「双葉郡8町村の特徴を盛り込んだオリジナルダンスを地域の人と一緒に考えて踊りたい」という目標がある。「チアを通し多くの人と時間を共有できたらいい。皆さんの元気と笑顔になれる活動をしていく」と意気込む。