優しき歌声、会場を包み込む 福島県追悼式、福島大付小合唱部

 
復興への思いを込めて歌声を披露する福島大付小の児童

 県は11日、福島市のとうほう・みんなの文化センターで東日本大震災追悼復興祈念式を行った。亡くなった県民にささげる「献唱」は、福島大付小合唱部が務めた。

 4~6年生20人が登壇し、それぞれの未来に向けて歩んでいこうという思いを込めた「きみの空 きみの虹」と、水の大切さや怖さを伝えるメッセージが込められた「水のうた」の2曲を披露。犠牲者の安らかな眠りと復興を願う優しい歌声が会場を包み込んだ。

 式典終了後、部長の日下部太陽君(6年)は「震災で傷つき、悲しい思いをした人に笑顔を届けたいと思い歌った」と語った。

 子どもたちは幼くて震災を覚えていないか、震災後に生まれた世代だ。合唱部顧問の宮川真由香教諭(29)は「子どもたちは真剣に歌い、普段と違う声が聞こえてきた。当時の記憶がない子でも震災があったことをかみしめることができる時間になった」と振り返った。