内堀知事「あきらめることなく挑戦」 震災10年、福島県追悼式

 
式辞を述べる内堀知事(代表撮影)

 県は11日、福島市のとうほう・みんなの文化センターで東日本大震災追悼復興祈念式を行った。式典では、内堀雅雄知事が「来月からは第2期復興・創生期間がスタートする。復興の光をさらに輝かせ明るい未来を切り拓(ひら)くため、これからもあきらめることなく挑戦し続けていく」と式辞を述べた。10年の節目に合わせて発表した知事メッセージも読み上げた。

 内堀知事は式後、「追悼への思いと、復興への誓いを新たにする大切な節目の日。新たなスタートとして県民や応援していただく皆さんの力をいただきながら前進していきたい」と述べた。

 式では太田光秋県議会議長が「この災害を尊い教訓として、必ずや世界に誇る復興を成し遂げる」と追悼の辞を述べたほか、代表者による献花が行われた。福島民友新聞社からは中川俊哉社長が出席した。

 追悼と決意の献花

 式典終了後は一般の来場者による献花が行われた。東京や大阪など県外からの参加者も目立ち、犠牲者への祈りをささげ復興への思いを新たにした。

 横浜市から訪れた明治学院大1年の松浦佑承(ゆうすけ)さん(19)=静岡県出身=は、震災10年の節目を本県で迎えたいと初めて来県した。「故郷に戻れなくなるのは原発事故特有のことで心が痛む。これから福島のことを知り、SNSで同級生などに発信したい」と話した。

 福島市の会社員内山博史さん(27)=須賀川市出身=は、犠牲になった方を追悼しようと、ここ数年は毎年献花に訪れている。「震災10年は節目としてあまり意識していないが、次の10年は福島がさらに発展する10年になってほしい」と語った。