「農林水産業」再生へ JA復興祈念大会、消費者らが総力結集

 
本県の農林水産業復興と再生を実現するため、総力を挙げることを決議した大会=13日午前、郡山市

 JAグループ福島は13日、郡山市で県内の農林漁業者や消費者が一堂に集う東日本大震災復興祈念大会を開いた。大会決議には、営農再開や風評被害、森林・林業の再生、漁業の本格操業を実現する取り組みの強化を明記。震災から10年を経ても残る課題解決に向け、行政との連携の下、総力を結集する決意を確認した。

 本県の農林水産業は、10年間で県産ブランドの信頼回復の取り組みを進めてきた一方、農業産出額は2086億円(19年)と回復基調にあるものの震災前の2330億円には至らず、さらなる振興が課題だ。

 決議では、次世代の担い手が意欲を持てるよう、生産分野での技術革新や生産・加工・流通を一体的に展開する産地形成など「持続的な経営モデル」を示すと明記。消費者との絆を強め、地産地消の拡大に努める必要があるとした。主催者あいさつでJA福島五連の菅野孝志会長は県民に向け、「本県農林水産業を活力に満ちた明るい未来にするため、共に手を携えていただきたい」と協力を呼び掛けた。

 メッセージの発信では、県漁連の野崎哲会長が試験操業の終了を踏まえ、「操業拡大を図るには風評対策、流通の回復が最重要課題だ」と強調。県森林組合連合会の秋元公夫会長は「森林・林業の再生を図る取り組みは緒に就いたばかりで、やめることなく進めていく」と述べ、消費者代表として登壇した県生協連の吉川毅一会長は「今後も『地産地消ふくしまネット』に結集し、皆さんとともに連携していく」と誓った。

 大会は、震災と東京電力福島第1原発事故から丸10年の節目となり、農林水産業の完全復興を誓う機会にしようと、2012(平成24)年3月以来、9年ぶりに開催された。新型コロナウイルス感染対策を講じた上で関係団体から約800人が出席した。