福島まるせい果樹園、困難克服の経験語る オンラインセミナー

 
「今後もお客さんに果物とともに笑顔を届けたい」と話す佐藤さん

 東日本大震災からの復興や被災地の今後について語る海外メディア向けのセミナーが13日、オンラインで開かれた。福島市の「まるせい果樹園」園主の佐藤清一さん(51)が震災直後の苦悩や、それを乗り越えた経験を語った。

 蘭日協会の主催。同協会理事で記者のイングリッド・ハウトコーペルさんが企画した。外国メディアが日本の状況を正確に報道し、対日理解を深める外務省の招請事業の一環として開かれた。

 セミナーには国内外から約70人が参加した。佐藤さんは、震災後の風評被害を振り返り、「真剣に農業を辞める道も考えた」と吐露。消費者に本県の果樹の安全性を伝えようと、高圧洗浄機による樹木表皮の除染作業に取り組んだり、農業生産工程管理の国内認証「JGAP」を取得するなど前向きに取り組んできた活動を紹介した。徐々に売り上げも伸び、現在は震災前の状況に戻りつつあることを伝えた上で、「今後もお客さんに果物とともに笑顔を届けたい」と語った。