震災体験、子どもたちに伝えたい 保育士ら復興の歩み紙芝居に

 
真剣に大内さんの読み聞かせに聞き入る子どもたち

 福島市の保育施設の保育士らが、東日本大震災の記憶や復興の歩みを伝える紙芝居を完成させた。11日、同市のふくしま中央認定こども園でお披露目された。震災を直接体験していない子どもたちは、10年前の出来事やその後の県民の取り組みを紹介する話に真剣に聞き入った。

 子どもたちに震災当時の様子や原発事故の悲惨さ、復興までの歩みを伝えようと制作。保育士12人がストーリーの考案からイラスト制作までを手掛け、3~5歳それぞれの年齢に合わせた3種類を完成させた。

 同園の保育士大内喜美さんが年長の子ども20人に読み聞かせした。3種類のうち、地震発生直後から復興していく様子を伝える紙芝居「ふくしまの記憶」を読み上げると、子どもたちは静かに聞き入っていた。

 園長の河内ひろみさんは「当時の人たちは地震や原発事故があっても諦めなかった。お父さん、お母さんからもらった命を大切にして、福島に生まれたことを誇りに思ってほしい」と子どもたちに語り掛けた。紙芝居は同市の公式ユーチューブでも公開されている。