川内村が「輝村宣言」 震災10年、一人一人が輝く村を目指して

 

 川内村は16日、村民一人一人が輝く村を目指し「輝村(きそん)宣言」を行った。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故で全村避難してから同日で丸10年。かつて「帰村」を宣言した村は、「輝村」を掲げ新たな村づくりに取り組む。

 宣言は、村が村内で開いた復興祈念式典の席上で行った。村民を代表し川内中2年の遠藤麗衣さん(14)、小林有紀さん(14)、三瓶友也さん(14)、菅波海斗さん(14)の4人が登壇し、地元産のイチゴを使ったスイーツの開発など将来の目標を披露。感謝と希望、挑戦をキーワードに掲げ「ずっと輝ける村へ」と宣言した。

 村民が避難生活を送る中、遠藤雄幸村長は2012(平成24)年1月に「帰村宣言」を行った。現在の居住人口は震災前の約8割に当たる約2050人。ワインや生食用のブドウ、イチゴの栽培に取り組むなど、新しい産業の構築を進めている。4月には義務教育学校「川内小中学園」が開校し、特色ある教育を展開する方針。式典で遠藤村長は「村民一人一人が誇りや生きがいを持ち、特に若い人が住みたいと思えるような『輝く村』づくりに取り組む」と誓った。